3台以上の車両による玉突き事故が発生した場合、過失割合はどのようになるのでしょうか?
事故の状況によっても過失割合の考え方が異なります。
玉突き事故とは
玉突き事故とは、後方から追突された勢いによる前方車両への追突が連鎖的に発生する事故のことです。
玉突き事故が起こりやすいのは、高速道路や信号待ち、渋滞していて車が密集しているときです。
トラックなどの大型車両が発端となる玉突き事故の場合には、巻き込まれる車両が十数台に上ることもあります。
玉突き事故の責任の所在
玉突き事故が発生した場合に誰に責任があるのかはその時の状況により違います。
玉突き事故が発生した場合、基本的にもっとも責任が重くなるのは一番後ろの車両です。
しかし、前方の車両が急ブレーキをかけたために一番後ろの車両にぶつかって発生した玉突き事故の場合は、危険回避のためでない限り急ブレーキをかけた前方の車両にも過失が認められることがあります。
また、高速道路で一番前の車両が停止していた事により事故が発生した場合や、真ん中の車両が車間距離を適切にとっていなかったことが事故原因の場合などでは責任の所在が変わります。
玉突き事故の過失割合
玉突き事故は、追突事故の過失割合を基準にして計算をします。
前方車両に問題がなかった場合
前方の車両が信号待ちなどの合理的な理由で停車していた、または問題なく走行していた際に後方車両が追突した場合には、後方の車両の過失割合が100%となります。
ただし玉突き事故の場合、2番目の車が1番目の車との間にきちんと車間距離をとっていなかったために事故につながった場合には、2番目の車にも過失割合が認められます。
前方の車両が急ブレーキをかけた場合
前方車両が急ブレーキをかけた場合は、前方車両の過失割合は30%が基本とされています。
後方の車両の過失割合が70%となります。
後方車両が十分な車間距離をとっていなかったことに過失が認められると考えられるため、急ブレーキをかけた前方車両よりも後方車両の過失割合の方が依然として高くなっています。
高速道路上で自己の過失により停車していた場合
高速道路上で交通事故などの過失によって停車している車に、後方車両が追突する事故が起きた場合、停車していた前方車両に高い過失割合が認められます。
- 前方車両の過失割合が40%程度
- 後方車両の過失割合が60%程度
前方車両が危険な運転をしていた場合
真ん中の車や先頭車両が蛇行運転をしていたり、不必要にブレーキをかけたりした場合、一番後ろの車の過失割合が80%、不適切な操作をした車両の過失割合が20%程度となります。
まとめ
玉突き事故は誰にどのくらいの責任があるのかが非常にわかりにくいものです。
玉突き事故が起こった際には、早急に弁護士に相談をしましょう。
また、過失割合は事故の状況により異なりますが、ドライブレコーダーなどの証拠がない場合には、責任の所在で揉める可能性があります。
早期解決のためにも、まずは専門家に相談をすることをお勧めします。