交通事故に遭ったら自覚症状がなくても病院に行くべき?

交通事故に遭ったら、自覚症状がなかったとしてもまずは病院へ行くことが大切です。

「怪我をしていないから」「体に痛みを感じないから」と、勝手に判断をしてしまうことは大変危険なことなのです。

またそれだけではなく、病院へ行かないことで後々の慰謝料や損害賠償の請求時にもトラブルとなる恐れがあります。

これは、ご自身が同乗者の立場だった場合も同様です。

その内容について詳しく述べていきましょう。

自覚症状が無くても病院へ行くべき理由

交通事故に遭ったとしても、痛みや出血、腫れなどの明確な症状が確認できず素人目には無傷に見えてしまう場合がありますが、実は自覚症状がなくとも体は損傷をうけている場合があるのです。

ではなぜ損傷があっても自覚症状がないのでしょうか?

アドレナリンやβエンドルフィンにより痛みを感じにくくなっている

交通事故に遭ったことで人間の脳は興奮状態になり、体内にアドレナリンを分泌します。

アドレナリンには運動能力を高めたり、心拍数を上昇させたりしますが、ほかにも体の痛みをマヒさせる効果も持っています。

このため事故後、体に損傷があったとしても痛みに気づけない場合があります。

またほかにも体に大きな損傷があった場合に、脳内麻薬ともいわれる強く鎮痛作用ももつβエンドルフィンにより、通常時であれば悶絶か気を失うほどの痛みでも気づかないことがあります。

損傷の場所により、痛みを感じにくい場合がある

代表的なのがむち打ち」です。

むち打ちは「頸椎捻挫」または「外傷性頚部症候群」といって、追突されたときに首がむちのようにしなることで神経や頸椎を痛めた状態のことを指します。

直後は痛みを感じなかったのに、1週間後になって自覚症状が出ることもあります。

また脳内出血などが起きていた場合も、すぐには症状が現れず、出血による自覚症状が自覚できるようになった段階でリスクが跳ね上がります。

上記の理由から、自覚症状がなくても病院には行くべきと言えるでしょう。

検査を受けないリスク

主に3つあげられます。

後遺障害が残る

頭を強打したことによる脳内出血などの脳にまつわる症状の場合、症状が出るまでに時間がかかります。

ケースとしては交通事故で頭を強く打ったがケガは見当たらず、病院へ行くのを後回しにしたために症状が出たタイミングからでは重症化して後遺症が残ってしまった、最悪死亡してしまったということがありました。

因果関係が認められない

事故後の検査が、事故からかなりの日数が経過しているために、病院での診断が交通事故によるものかが結び付けられないことがあります。

例えとしてこれによるリスクは、治療費が慰謝料請求の際に因果関係が証明できず最悪請求できないことなどが考えられます。

後遺症認定が不利に働く

先ほどの「因果関係が認められない」と近いのですが、後遺症認定の際に原因となる交通事故から診断までの日数が空いている場合、MRI検査やCT検査での事故による外傷性の判断がつかなくなります。

その為、後遺症認定の際に不利となってしまう恐れがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

交通事故で保険を適用する場合、被害者の初期対応が非常に重視されるということがお分かりいただけましたか?

これは外傷や後遺症と交通事故の因果関係を立証することに繋がるためです。

つまり、時間がたてばたつほど立証は難しくなると言えます。

他にも加害者側に交通事故後の検査費用、示談や裁判などの慰謝料を負担させることが可能になるのです。

過失割合の無い被害者であれば、自主的に行った検査費用なども全て相手方に受け持ってもらえます。

ただこの際にも事故によるケガや後遺症、そのための慰謝料は治療費と証明するための因果関係が重要となってきます。

交通事故後は自覚症状がなくても必ず病院に行きましょう。